最近は、ゴルフ人口が減少し、プレー料金も下がる傾向にある。それにより昔に比べゴルフの敷居が低くなったと言えるでしょう。誰でも行きやすくなったゴルフですが、紳士のスポーツとも言われるゴルフには多くのマナーという概念があるのです。
このページでは特にマナーに重点をおいて説明していきます。
同じ組でプレーする人以上に他の組にも迷惑とならない心構えが必要
昔は、そのコースのメンバー(会員権所有者)と同伴でなければプレーできないと言われたゴルフ場も多々ある。それほど格式が高
いゴルフでは、どれほど紳士的かという事が求められる。同じ組で回る人は知人が多いケースとなるが、前後の組となると全く面識のない人達ということが大半だ。同じ組で回る人は多少の事は温かい目で見守ってくれるかもしれないが、他人からは冷ややかな目で見られることとなる。特にゴルフ歴30年以上に人たちは昔の時代を多少なりとも知っているので、言葉には出さないかもしれないが内心では思うものである。ゴルフ場内では、自分の事だけ考えて行動するのではなく、前後の組や周囲に気が回るくらいの感覚が大切だ。逆に言うとゴルフ歴が浅い人が、周りの事を気にした時には同伴者は非常に感心する事が多く良好な人間関係を築く事が出来るともいえる。
初めてコースにでる前に、自分の癖玉や飛距離は練習場などである程度知っておこう
最近、ゴルフ初心者がコースデビューするときに、練習場に1~2回行っただけでデビューする人がいる。これでは自分の打球の癖や飛距離の目安が全くたたない。自分がどんなプレーをするのか自分自身も全く想像が出来ない状態である。このような人は、実際にコースで打った後、あまりのひどさにパニックになる。もはや他人のこと等、一瞬たりとも考える余裕がない状況だ。先にも述べたが、もはや他人の迷惑となるしかないのである。この醜態は、知人といえど、うんざりとなる事が多々ある。最低限ある程度ボールが前に打てるようになってからコースには出るべきである。空振りの連続などする人がコースに出ても誰も喜ばないし、だれも得をしない。まだコースに出ない事を強くお勧めする。
身だしなみに気を付ける
ゴルフには服装のマナーがある。それはプレーの時だけではない。ゴルフ場のクラブハウスに入る際は、実はジャケット着用が原則だ。真夏のとても暑い日でもジャケットを腕にかけて入場する事をお勧めする。パンツについてはジーンズはマナー違反とされる。基本はスラックスだ。短パン(ニッカポッカ)も認められているが、その場合はハイソックスを履くことがセットである。
服装は、だれでもできる準備なので、特に目上の人とゴルフをする際は、確実に実行するほうが良い。朝一で同じ組でプレーする人とクラブハウスで遭遇し、挨拶を交わすことは非常に高い確率で起きる。その時に身だしなみは見られてしまうのである。
プレーするときの服装については上着は襟付きが原則である。Tシャツは厳禁だ。そんなプレーヤはまずいない事を知っておこう。
オススメはポロシャツである。寒い冬にはポロシャツの上にセーターなどを着る。近年は、ポロシャツの下にアンダーウェアを着ている人もよく見かける。不安な方はとりあえずポロシャツを着ていることが分かればOKだと思っておくと良い。
念のために述べるが、ゴルフには専用の靴がある。ゴルフシューズと言われソールが普通の靴と比較すると明らかに違いがある。マナーに厳しいゴルフ場では専用のゴルフシューズでなければ当然プレーできない。マナーに厳しくないゴルフ場でもプレーできない可能性は充分ある。実際は、ゴルフシューズを履いていないプレーヤーはいないと思っていたほうが良い。
ちなみにゴルフシューズを履いたままクラブハウスに入る事はマナー違反だ。これは、ゴルフ場外でゴルフシューズを履いて歩きまわると、靴にどんな菌が付着するかわからない。その菌が付いた靴でゴルフ場に入るという事は外から菌を持ち込むこととなる為だ。ゴルフコースのグリーンはプレーを楽しんでもらうため、特に繊細な管理がなされている。殺菌剤などを散布し菌が繁殖しないよう管理されているのである。
その他については、夏に時々見かけるが、タオルを首にかけてプレーすることはマナー違反とされる。意外と知らない人が多い。厳しい目線でいうとシャツをベルトの外にだらりと出して着る事もマナー違反だ。
プレー前日に最低限準備しておく道具について
まずはプレーする服装である。頭の先から足の指先までプレーする服装をイメージしてみれば忘れにくい。
具体的には、・帽子・上着・パンツ・ゴルフシューズ・グローブ・ゴルフクラブ(ゴルフバッグ)・プレー後の服装(着替え)だ。
ゴルフバッグの中身にも注意してこう。
・ボール・ティー・ボールマーク・ディボット直しは必需品だ。数を多めに持っておくと良い。特にボールは多く持っておくと安心だ。ゴルフではロストボールがよくあるので初心者は何個ボールを失うかわからない。初心者は30個くらいあってもよい。
ゴルフ場に到着した時のマナー
ゴルフではあらかじめティーオフ(スタート)時間が決まっている。プレーヤーは最低でもその30分前にゴルフ場に到着しておくというマナーが一般的である。同じ組でプレーする人は、ギリギリにゴルフ場へ来られると、それまでの時間に「寝坊では?」・「もしかして何かあったのでは?」と心配になる。他人に不安を感じさせない為にも早めに入場する事をお勧めする。一般的には、スタート前には、練習グリーンでのパター練習などをする為、30分前でも時間は足りないくらいである。真剣にベストスコアーを狙う人などは、パター練習だけでなくクラブハウスに併設されているドライビングレンジ(ショット練習場)でも何十球か打つ人も多い。
追記で、ゴルフコンペ(同一の集まりでの競技)でゴルフに参加する場合は、スタートする時間が組により1時間以上差がある事も珍しくない。だが最初の組がスタートする前に、競技のルール説明(ミーティング)等がある為、最初の組がスタートする30分前に到着しておくことが望ましい。
スタート前のマナー・練習グリーンでのマナー
スタート時間の10分前にティーグラウンド近くで待機する事が基本となる。それまでの時間は、練習グリーンでパッティングなどしてスタートを待つこととなる。練習グリーンでのマナーとしては、練習グリーンにはグリーン上に3~4個程度のカップが切られていたり、目印となるものが設置されていたりする。それらをカップに見立ててパッティングをするが、多方面から複数人が同じ目標物に向けてパッティングすると転がるボールがぶつかり合う。練習グリーンでは、ボールが止まるまでの距離感を合わせる目的がある為、ぶつけられた相手は邪魔に感じる事となる。さらに、同じメーカーのボールを偶然使っていたりすると、どちらのボールだったかもよくわからないことになる。これはお互い気持ちの良いものではない。周囲をしっかり見て、だれがどの目標物を狙っているか察知し、出来るだけ他の人と同じ目標物を狙わないように心がけるのが良いだろう。練習グリーンが広めだったりすると、自分の目標物は自分が設定(落ち葉・グリーンの色が変わっている部分・自分でグリーン上にティーをさして目標物にする等)して練習するのも良い。
厳禁の行為としては、グリーン上でショットの素振り、または人が歩く場所でのショットの素振りだ。とても危険な行為なので絶対にしてはいけない。
ティーグランドでのマナー
まず、前の組がティーグランドにいる時には、そのティーグランドには上がらないという事が基本。あたりまえの話だが、面識もない人が、しかも同伴プレー者でもないのに同じ空間に入るのは非常に違和感を感じる。絶対にやめよう。そして前の組がティーショットを打ち終わるまでは、ティーグランドには近づかないというのが常識だ。さらに前の組がティーショットをする際には、声が聞こえないよう静かにしておくことが大切だ。ゴルフは神経を使ってボールを打っていくメンタルが重要なスポーツだ。1打1打の集中力がスコア‐に直結してくる。その為、他社の耳に雑音が入るとショットが乱れる事が多々ある。他の人が集中して打てるよう協力してあげるのが大切なマナーとなる。ティーグランドから離れているから気にしないという認識ではなく、声が届く範囲内にティーグランドが無いことを確認したうえで談笑などを楽しんでもらいたい。
いよいよ自分の組のスタートとなるが、プライベートゴルフではここまで気にしなくてもよいと思うが、競技ゴルフだと、自分が使用するボールのブランド名と番号を申告しておく必要がある。ゴルフボールは同じ組でプレーする人が同じ種類のボールを使っている可能性が高い。もし同じブランドのボールを使っている人がいた場合、ボールには必ず番号があるので何番を使うのかまでを確認し、どちらのボールかハッキリわかるようにしておくマナーがある。ボールに必ず数字があるのはそのためである。
打順についてのマナー
ゴルフにはオナー(名誉)という概念がある。一番よかった人から先に打つというマナーだ。スタートホール以降は全ホールこの流れで誰が最初に打つか決まっているという重要なマナーがある。確実に体に覚えさせるべきマナーだ。
しかしスタートとなると全員が同順位の為、くじ引きとなる。1番ホールと反対からスタートする事もある10番ホールには必ず抽選するもの(くじ)がある。もし自分が一番年下だったりすると率先して抽選棒を相手にひいてもらうよう行動したいところだ。
いよいよスタート
私自身一番重要だと思うマナーがある。それはプレーを迅速にすることだ。スロープレーは多くの人が嫌がるやってはいけないプレースタイルだ。すればゴルフ場全体に迷惑をかける行為となる可能性がある。遅い時間でスタートする組が、プレーの進行が遅いために全ホール回れずに日没となる事もあるからだ。1打1打に自分の使った時間が多いため、同じ組の人が、急いで打たないといけないという状況を生じさせることもある。そうなると同じ組でプレーする人は、焦ってプレーする事となりいつものリズムが崩れる事があるのだ。自分のリズムを崩してくる人とは一緒にプレーしたくないと誰でも思うだろう。結局遅いプレーは自分自身が嫌がられるため自分が最も損をすることとなる。スコアが悪くてもプレーを早める事は心がけで出来る事である。自分のプレー(打数)よりプレースピードを一番気にするべきである。たくさん打数をうってもプレーで邪魔にならなければ同伴者からはとても好感度が上がる。中学生や高校生のゴルフ部員などは、徹底して打ったあとは走る事を指導される。
ただしグリーン上では走ってはいけない事は覚えておこう。
参考のハーフ(9ホール)の平均的なプレー時間は2時間~2時間15分程度だ。2時間30分だと一般的にはスロープレーとなる。
プレー前の会話でよく聞かれる「今日の目標は?」という問いには、打数ではなく「2時間です!」と時間を答えるくらいプレースピードには気を配ろう。
プレー中のマナー
打者の視界に入ってはいけない。集中した状態で視界にあるものが動くと、大抵の人はそちらに気がそれてしまう。それがミスショットを誘引するのだ。したがって、他のプレーヤーがボールに向かいアドレスに入ると打者の見えない所で静止する事が基本だ。視界に入らなくても雑音も厳禁だ。雑音を出さない為にも静止が必要となる。
最もいけない立ち位置は、打者のボールの飛球線(ボールが飛んでいくであろうポイントとボールを結んだ前後の延長線上)に立つことだ。時々、上級者の打球を見失わないよう飛球線後方から見ようとする人がいるが、打者は飛球線後方に人がいると視界に入る事もあり、非常に気になる位置である。大きくスイングに影響を及ぼすため、絶対に避けよう。
プレー中のマナー②
ボールは必ず2~3球ポケットなどに入れておくことだ。ミスショットでOB(プレー禁止区域)へ打ってしまうこともある。同じ場所から打ち直しとなるが、OBが出るたびに、自分のバッグまで新たなボールを取りに行っていては、スロープレーに直結する。OBが出た場合は、速やかに、「暫定球うちます」と宣言しポケットから新たなボールをドロップし打ち直すことだ。そうすればロスタイムはほとんど無くすことが出来る。
OBでもうひとつ大切なことは、OBの可能性を感じたら念のため暫定球を打って前に進んでいくことだ。きわどい状況にもかかわらず、実際にボールが飛んで行ったところについてボールがOBだった場合は、もとの場所へ戻って打ち直す必要があるからだ。これには多くの時間を割くことなるので絶対に避けておきたいことである。